
ゲーミングPCの選び方|年間30台のレビューで分かった事
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普通のPCとゲーミングPCの違い
ゲーミングPCを選ぶにあたり、まずは基本的なゲーミングPCの知識を把握しておくことで、ご自身にあったゲーミングPCが選びやすくなりますので、順番に解説していきます。
ゲーミングPCはグラフィック性能が非常に高い
一般用途向けでいわゆる普通のPCとゲーミングPCを比べた際の一番大きな違いは、ゲーミングPCはPCゲームで最も重要なグラフィック性能が圧倒的に高いということです。普通のPCはグラフィック処理をCPUと呼ばれるパーツ(パーツごとの解説は後程行います)の中に内蔵されている小さなオンボードグラフィックで行いますが、ゲーミングPCは専用のグラフィックボード(以下、グラボ)やグラフィックチップが別途搭載されています。
グラボが搭載されているデスクトップPC内部
PCのサイズがデカくて重い
ゲーミングデスクトップPCに搭載されるグラボは高性能なモデルとなると、横幅が30cmを超えてきますし、お買い求め安い価格帯のグラボでも横幅が15cm程度はあります。
デスクトップ用グラボのサイズ例
グラボ以外のその他パーツもゲーミングPCでは通常のパソコンより高性能なパーツを採用しているので、PC全体の発熱量が大きく、冷却性能を高めないと本来の性能が発揮できないため冷却機構(ファンやヒートシンクなど)が充実しています。そのためデスクトップPC本体のサイズが通常のPCよりデカくて重くなります。
例えば、PC専門店ドスパラの公式サイトでゲーミングPCブランド「ガレリア」のおすすめランキングにランクインしているゲーミングデスクトップPCのサイズは幅22cm、奥行44cm、高さ48cm、重量は約14kgでした。
ゲーミングPCブランド「ガレリア」のおすすめランキング
ゲーミンデスクトップPCは購入前にパソコン本体を設置するスペースとPC本体のサイズを確認しておきたいですね。
ゲーミングPCと一般的なPCのサイズ感
ゲーミングデスクトップPCを一般的なデスクトップPCと並べてみると、サイズ感がだいぶ違う事が分かります。
ゲーミングノートPCはゲーミングデスクトップPC向けの板のようなグラボは搭載されませんが、専用のグラフィックチップが搭載されています。ゲーミングノートPC用のグラフィックチップやCPUは発熱量が大きいため、通常のノートPCより冷却のためのヒートパイプの本数が増え、ファンも2枚搭載される関係でノートPCの重量と厚みが増します。
ゲーミングノートPCの内部例
例えばマウスコンピューターの一般向けPC「mouse X4-R5」は重量が約1.2kgで厚みが17.5mmですが、ゲーミングノートPC「G-Tune P5」は重量が約2.02kgで厚みが22.8mmとなっています。
マウスコンピューター
ちなみに購入時に気づきにくい点として、ゲーミングノートPCのACアダプタはかなりデカくて重い事があげられます。
ゲーミングノートPC用ACアダプタの重量
私はゲーミングノートPCのレビューを度々行っているのでACアダプタの大きさや500g前後もあるACアダプタの重さも慣れてきましたが、初めてゲーミングノートPCを購入される方は購入後に「思ったよりACアダプタがデカくて重いなぁ」と感じる可能性があります。
外観が光るモデルやコラボモデルが人気
ゲーミングPCやゲーミングデバイスには光るモデルがあり、人気プロゲーマーやストリーマーとのコラボモデルが販売されているのも普通のPCとは異なるゲーミングPCの特長ですね。コラボモデルで外観がカッコいい製品は人気が高いです。 例えばドスパラで販売されている「Crazy Raccoon コラボモデル」はかなり人気が出ているようでドスパラの店舗でも目立つところに展示されています。
ガレリアのCrazy Raccoon コラボモデル
※ドスパラ水戸赤塚店にて撮影
パソコンの種類について
続いて、パソコンの種類についても確認しておきましょう。パソコンの種類によってゲーミング用途での特長も変わってきますので、ご自身にあったパソコンの種類を選ぶ必要があります。
デスクトップPC
デスクトップPCはゲーミングPCとして最も使用率の高いPCです。おおよそ7割から8割の方がゲーミングPCとしてデスクトップPCを選択します。
パソコンにあまり詳しくない方はモニターがパソコンだと思っている方がいらっしゃいますが、あくまでモニターは映像を出力し映し出しているだけです。PCで行う計算や処理は本体に格納されている各種パーツで行っており、パソコン本体と画面を写すモニターが別々に分かれているのがデスクトップPCの特長です。
ゲーミングデスクトップPCの外観
ゲーミングデスクトップPCのメリットとして
- 拡張性が高い(購入後に各種パーツの交換や増設が行える)
- ゲーミングPCの性能はデスクトップPCのほうが高い
- 購入時のカスタマイズが豊富
- ノートPCよりもモデルが多く選択肢が豊富
といった点が挙げられます。
その代わりデメリットとして
- デスクトップ用グラボは別の需要が生まれたのでノートPCと比べた際のコスパの良さが消えた
- 重たくてデカいので、気軽に持ち運ぶ事は出来ない
- ノートPCよりも設置に広いスペースが必要
- 無線LAN(WiFi)に接続するには別途無線USB子機が必要になる場合あり
といった事がありますので、室内の決められたスペースに置きっぱなしにして使用します。持ち運びは引っ越しや模様替えなどがない限り、重たいので行いません。
また、メリットともデメリットも言えるのが、モニターやキーボードそしてマウスなど必須の周辺機器が別売り(ごく一部にモニターやキーボード、マウスがセットになっているモデルもあります)という点です。モニターなどを個別で買い替えることが出来、それぞれ好きな製品を選べる一方でPC本体とは別で費用がかかってしまいます。
私は持ち運び用の1台を除き、ゲーミングPCは6台全てデスクトップPCを選んでいます。
ノートPC
ゲーミングノートPCは2~3割の方が選択するゲーミングPCです。既にゲーミングデスクトップPCを所有している方がサブ機として購入する場合もあります。
ゲーミングノートPCの外観
ゲーミングノートPCのメリットとして
- なんといっても室内だけでなく外へも持ち運びができる
- デスクトップPCよりも省スペースかつ軽い
- 無線LAN(WiFi)接続に最初から対応している
といった点が挙げられます。
その代わりデメリットとして
- 拡張性が低く、性能不足になった場合はPCの買い替えが必要
- 普通のノートPCのイメージで購入すると重量・ファンの音・バッテリー持続時間において不満が生じる場合がある
といった事があります。特に2番目のデメリットは購入後に初めて気づくケースが多いのでしっかり把握した上でゲーミングノートPCを選択されたほうが良いです。
また、本体に液晶とキーボードが搭載されているため、あとはゲーム用にマウスを購入するだけで良いです。
ゲーミングノートPCについては「10万円以下のゲーミングノートを1年半使って分かった事7選」にて詳しく解説しています。
一体型PC
家電量販店で一般家庭用向けPCとして、販売されているタイプです。デスクトップ用モニター並みに液晶が大きく、モニターの裏や土台にPC本体の各種パーツが組み込まれているため、デスクトップPCのようにモニターと液晶が分かれていません。モニターがパソコンだと勘違いしてしまう原因は一体型PCの存在かもしれませんね。
一体型PCの外観
一体型PCは屋外への持ち運びはできず、デスクトップPCと同じ使い方をします。PC本体がモニターの裏にくっついているイメージなので、省スペースで見栄えも良いのですが、デスクトップPCよりも価格が高く性能も低い傾向にあります。拡張性もノートPCと同程度の低さとなります。
一般家庭用のPCとしてデスクトップPCよりも普及している一体型PCですが、ごく一部の高級な専用モデルを除き、ゲーミング用としては向いていません。
ゲーミングPCのパーツやスペックについて
ゲーミングPCの特長や種類を把握する事が出来たので、いよいよゲーミングPCのパーツやスペックについて解説していきます。PCゲームは公式サイトなどで推奨スペックとよばれる、ある程度快適に遊ぶことが出来る基準が公開されることが一般的です。
例えばバトロワゲーム「Fortnite(フォートナイト)」の推奨スペックは以下の通りです。
必要スペック | 推奨スペック | 最高設定推奨スペック | |
---|---|---|---|
OS | Windows7/8/10 | Windows10 | |
ストレージ | 記載なし | NVMe SSD | |
CPU | i3-3225 | i5-7300U | i7-8700 |
メモリ | 4GB | 8GB | 16GB |
グラボ | Intel HD4000 | GTX960 | GTX1080 |
※引用:更新されたフォートナイトのPC要件|フォートナイト
※上記表は分かりやすくするため一部簡素化した記載にしております。
推奨スペックには様々なスペックが記載されますし、過去の製品が記載されていることもありますので、PCパーツやスペックの知識があったほうが、どれくらいのゲーミングPCが必要なのかイメージしやすいです。
OS(オーエス)はWindows10を選ぶ
OSはパーツではありませんが、パソコンを動かす基本的なソフトでゲーミングPCにも必ず搭載されています。パソコンのOSとしてはMicrosoftの「Windows」とAppleの「Mac」があります。
ゲーミングPCは「Windows」が搭載されたPCを選びます。「Mac」で遊べるPCゲームもありますが、ゲームによっては固有のバグや問題が発生しているケースもありますし、そもそもMacではなくWindowsを推奨しているゲームが大半です。
Windowsは直近だと7⇒8(8.1)⇒10という順番で登場し、2015年以降はWindows10が6年以上最新のOSでしたが、2021年11月よりWindows11が発売されました。
Windowsの名称と発売開始時期
古いOSであるWindows7は既にサポートが切れており、ネットに繋ぐのはリスクが高いですね。Windows7や8は新作ゲームタイトルを中心に推奨OSとして掲載されなくなってきています。2021年12月現在はWindows10とWindows11を搭載したゲーミングPCが併売されています。
一番新しいOSはWindows11ですが、ゲーミングPCとしてWindows11を搭載したモデルを選択するのは時期尚早です。
理由はゲームタイトル側で推奨OSとして記載されていない(2021年12月現在)タイトルが大半だからです。Windows11固有の不具合も複数報告されましたし、ゲーミングPCメーカーから過去2~3年以内に発売済みまたは現在も販売しているWindows10搭載の新品ゲーミングPCは購入後にWindows10からWindows11にご自身で無償アップグレードできます。
私は2021年11月にゲーミングデスクトップPCをドスパラで購入し、その際に10と11どちらが良いのかドスパラの方に確認しましたが、Windows10を勧められました。Windows11を選んだら絶対ダメ!というわけではありませんが、よくわからない方はWindows10にしておいたほうが良いです。
CPU(シーピーユー)は5か7を選べばいいけど!?
CPUはパソコンの頭脳です。パソコン内で発生するデータの計算を行う重要なパーツです。但しPCゲームのように重たいグラフィック処理は苦手です。
CPUは毎年性能や価格が異なるモデルが数多く販売されます。Intelのi5やi7といったCPUのブランド名は聞いた事があり、「i5よりi7の方が高性能」という事はご存知の方が多いのではないでしょうか。
CPUを格納するソケット
PC初心者の方に注意して頂きたいのは「core i7 CPU搭載」というだけでは高性能かどうか分からないという点です。例えば10年前のi7と現在のi7ではゲーミング性能がケタ違いですし、10年前のi7は現在発売されているリーズナブルなCPU i3にすら勝てません。また同じ時期に発売されたi7でも低消費電力に特化しゲーム向けではないCPUもあります。
CPUは製品名を見れば、ある程度CPUの特徴や発売時期を把握する事が出来るので、新しいゲーミングPCを購入したいのであれば是非覚えてほしいCPU製品名のルールを解説します。
まずはご存知の方も多い、CPUの大まかなグレードについてです。
ゲーミング向けCPUのグレード
PCのCPUはIntel製の「Core iシリーズ」とAMD製の「Ryzenシリーズ」があります。CPUのシェアはIntelが圧倒的なシェアを10年近く維持してきましたが、2017年からAMDがRyzenCPUを発売して以来シェアを伸ばしています。
両社のCPUの違いを上げると専門用語だらけになるのでこの記事では割愛しますがこだわりがない場合はIntelの「Core iシリーズ」を選ぶ方が多いようです。
両社のCPU共にグレードは9・7・5・3という数字で分かりやすくなっています。ゲーミングPCとして搭載されることが多いのは5や7です。9は非常に高価なゲーミングPCにおいて選ばれます。反対に3はBTOPCメーカーのゲーミングデスクトップPCにはあまり搭載されておらず、自作ユーザーがゲーミングPCの価格を抑える場合に選ぶことがあります。
CPUにはルールに基づいた製品名がつけられます。ここからは少し複雑になりますが、覚えておけば意図せず古いPCを買ってしまったり思っていたのと違う性能のCPUを選んでしまうのを避ける事が出来る大切な内容です。
CPUの命名ルール
命名ルールも2社で似ていますね。Ryzen7やi7の後ろにつく4~5桁の数字のルールを是非把握してほしいです。Intelは千と万の位が世代(AMDは千の位)。残り3桁が同世代間の性能差を表しています。例えば「core i7-9700」より「core i7-10700」の方が新しく性能が高くなりますし、「Core i5-10400」と「core i5-10600」では世代は同じですが「core i5-10600」の方が若干高性能になります。
最後の英字は特徴を表していて、Intelの場合は
- Kは無印より高性能
- FはCPU内蔵グラフィックチップが非搭載な代わりに少し安い
- HはゲーミングノートPC向けCPUにつく
- Uは電力消費が抑えられているのでゲーム向きではない
AMDの場合は
- Xは気にしなくてよい
- XTはRyzen3000番台のうち、後に発売された性能アップ版につく
- GはCPU内蔵グラフィックチップ搭載モデル
- HはゲーミングノートPC向けCPUにつく
- Uは電力消費が抑えられているのでゲーム向きではない
といった英字がよく使用されます。
2021年12月現在、ゲーミングデスクトップPCで多く採用されているのはIntel製CPUの場合、価格を抑えるならi5-10400(F)・i5-11400(F)、性能を求めるならi7-10700(F)・i7-11700(F)、AMD製CPUの場合、価格を抑えるならRyzen5 3500・Ryzen7 3700X、性能を求めるならRyzen7 5800XといったCPUを搭載したモデルをよく見かけます。
マウスコンピューターやドスパラのゲーミングPCランキングをチェックすると搭載CPUは
・i5-11400F…2台
・i7-10700F…2台
・i7-11700 …2台
となっていました。
Intelからは2021年11月より第12世代のCPU(例えばi5-12600K)が発売開始されましたが、第12世代CPUで組むと2021年12月時点では結構なお値段になるので、売れ筋となってくるのは2022年以降となりそうです。
マウスコンピューター|ゲーミングPCランキング
ドスパラ|ゲーミングPCランキング
メモリは極力16GBほしい
メモリはPCの作業スペースというイメージを持っていただくと分かりやすいです。例えば8GBの机で勉強をする際は、ノートと参考書をおいたら机が埋まってしまい、辞書を開くにはどちらかの上に重ねるしかないため3つ同時に使いたい場合は毎回どかす手間が発生します。2倍のスペースがある16GBの机であればノート・参考書・辞書を置いてもまだ余裕があるので、同時に使用してもスムーズに学習ができますね。
マザーボードに刺さっているメモリ
PCゲームは作業スペース(メモリ)を多く使用します。PCゲームだけでメモリを1~4GB程度は使用する事になります。PCでは意識せずとも2~3GBは何かしらのサービスやアプリケーションソフトで使用しており、PCゲームとは別にWEBブラウザやDiscordなどゲームと関係するソフトを起動するとメモリ8GBではメモリ量がボトルネックになってしまいやすいので、ゲーミングPCは極力16GBメモリが搭載されたモデルを選んでください。
数多くのゲーミングPCをこれまでに実機レビューしましたが、リーズナブルなゲーミングPCはどうしてもメモリが8GBになってしまう事もあります。10万円以下など極力価格を抑えた構成はメモリ8GBでも妥協できる場合がありますが、i7やRyzen7を搭載していたり、グラボにRTX3000番台を搭載しているのにメモリが8GBしかないのは非常にアンバランスで高価なCPUやグラボが本来の性能を発揮できないためオススメ出来ません。
逆に30万円以上するハイエンドなゲーミングPCにはメモリが更に倍の32GB搭載されている事もありました。メモリ容量がゲーム中も余裕がある場合メモリを2倍にしてもゲームの画質にはほぼ影響がありませんので、ご注意ください。
ゲーミングPCの購入を検討しており、複数のゲーミングPCが候補として挙がっている場合はメモリ容量だけでなく、メモリの速度に注目する手もあります。メモリの規格は記載方法が2種類あってややこしいです。私は分からなくなったらドスパラが公式サイトでまとめているメモリの規格表をチェックしています。
DDR4メモリの規格表
※引用:メモリにも種類がある?DDR4のメモリは何が違うの?|ドスパラ
表で太文字になっている規格が現在は主流です。メモリの速度差が1ランク程度であれば、CPUやグラボのグレード差ほどゲーム中のFPS(1秒間のコマ数)に影響を与えるわけではありませんが、検討中のゲーミングPC候補を絞れない場合は参考にしても良いですね。
グラボは価格の幅が広いので予算に応じて
グラボはゲーミングPCの特長で紹介したように、PCゲームの画質やFPS(1秒間のコマ数)に一番影響を与えるパーツで、性能と価格の幅が非常に広いです。全てのグラボを紹介すると逆に混乱してしまう可能性があるので、BTOゲーミングPCメーカーのゲーミングデスクトップPCに搭載されることが多いグラボの情報をまとめてみました。
グラボ名 | 単体価格 | APEX LEGENDS フルHD 平均FPS |
|
---|---|---|---|
最高設定 | 低設定 | ||
RTX3090 | 31万円 | 240 以上 | 240以上 |
RTX3080Ti | 21万円 | 240 以上 | |
RTX3080 | 16万円 | 220 | |
RTX3070Ti | 14万円 | 不明 | |
RTX3070 | 12万円 | 210 | |
RTX3060Ti | 9万円 | 180 | |
RTX3060 | 7万円 | 140 | 230 |
GTX1660Ti | 6万円 | 115 | 195 |
GTX1660SUPER | 6万円 | 115 | 195 |
GTX1660 | 5万円 | 105 | 144以上 |
GTX1650 | 2.8万円 | 60 | 120以上 |
最上位のRTX3090はグラボ単体だけでRTX3070搭載のゲーミングPCが余裕で買えるくらいの値段ですね! おおまかな性能差が分かるよう、プレイ人口が多い「APEX LEGENDS」をフルHD(1920x1080)解像度にて最高画質と低画質でプレイした際の平均FPSの目安を記載しました。上記の数値は私がゲーミングPCの実機レビューを行った際に測定した数値を元にしています。 CPUなどその他のパーツによって同じグラボでも平均FPSは変わってくるので、おおまかな目安として参考にして下さい。
太文字で記載したグラボがゲーミングデスクトップPCとして選ばれやすいグラボです。
RTX3060TiやRTX3060はNVIDIA製グラボの最新世代(2021年12月現在)の中ではお買い求めやすい価格なので、選ばれる方が多いようです。先ほどCPUの欄で紹介したマウスコンピューターやドスパラのゲーミングPCランキングを見てもRTX3060やRTX3060Tiがランクインしています。
マウスコンピューター|ゲーミングPCランキング
ドスパラ|ゲーミングPCランキング
ドスパラのゲーミングデスクトップPCランキング1位
※引用:ゲーミングPC(デスクトップ)おすすめランキング|ドスパラ
※価格は2021年12月17日時点の価格です。
RTX3060や3060Ti搭載モデルは価格が…という方には、GTX1660SUPERやGTX1660Tiを搭載したゲーミングデスクトップPCがオススメです。GTX1660SUPERとGTX1660Tiはほぼ同じ性能と考えて下さい。
PCゲームには推奨スペックという、ある程度以上の画質で遊べる基準があるとお伝えしました。推奨スペックのグラボは2020年頃までGTX1060(2016年発売の旧グラボでGTX1660SUPERやTiと比べると2ランク性能が劣る)が記載されることが多かったのですが、PS5やXBOX series X/Sが2020年秋に発売開始した影響もあり、推奨グラボにGTX1660以上が選ばれる確率が上昇しています。遊びたいPCゲームの推奨グラボを下回ると、画質をだいぶ落とさないと快適には遊べません。
10万円を下回るゲーミングPCを探している場合、グラボはGTX1650になります。GTX1650でもバトロワ系のゲームは高画質でも平均60FPS程度出ますし、画質を落とせば120FPS程度は出ますので、画質にこだわらないのであれば十分快適です。さすがに重たい部類のゲーム、例えばBF2042やCyberpunkなどは画質を落としても快適には遊べないので、そこは割り切る必要があります。
ゲーミングノートPCに搭載されるグラフィックチップはデスクトップ用のグラボと同じ製品名が使われることが多いのですが、同じグラボ名でもノートに搭載されているグラフィックチップの方が性能は1ランク程度低い事が多いので注意してください。
ストレージ
パーツ解説の最後はPCのデータを保存するストレージについてです。
ストレージは2種類あり、容量あたりの単価が安い代わりに低速なHDDと、容量当たりの単価が高い代わりに高速なSSDがあります。
SSDには低速なHDDと同じ規格でPCに接続するSATA SSDしかありませんでしたが、NVMe SSDという更に高速なSSDが登場しています。
SATA SSDとNVMeSSDは実機レビューでストレージのスピードを測るベンチマークを回すと数値がかなり違うのですが、PC操作中に体感できるほどの劇的な違いは感じにくいです。一方でHDDとSSDはPC操作時に雲泥の差があり、OSの起動時間やゲームを起動する時間、ゲーム中のロード時間においてSSDは大きく短縮されます。
NVMe SSDをマザーボードに取り付ける様子
ゲーミングPCにはSSDが搭載されているのが一般的ですので、あとはSSDの容量を気にする必要があります。10万円台後半程度のゲーミングPCまでは500GBのSSDが搭載されることが多く、20万円を超えると多くのゲーミングPCで1TB(1000GB)のSSDが搭載されています。
大型ゲームタイトルは1つのタイトルで100GB以上の容量が必要となる場合もあるため、250GBなど小さい容量のSSDにしてしまうと購入後にストレージの容量不足で苦労します。
お買い得なゲーミングPCの選び方
最後は、ゲーミングPCメーカーの公式サイトでゲーミングPCを選んでいきます。
ゲーミングPCは性能の幅が広く、価格も10万円を切るモデルから40万円を超えるモデルまであります。幅広いPC構成に対応し、より多くのゲーマーに遊んでもらうためPCゲーム側でも画質の調整ができるようになっていますので、遊びたいゲームの推奨スペックさえ満たしていれば画質を調整する事で十分遊ぶ事が出来ます。
フルHD(左)と4K(右)の拡大比較
ゲーミングPCに使用できる予算は人それぞれ様々です。最新でハイエンドなゲーミングPCを1~2年で買い替える方もいますし、私なんかは十数万円で購入したゲーミングPCを6年間、使い続けた事もあります。
多くの方が選ぶ傾向にある売れ筋モデルはゲーミングPCメーカーの公式サイトにてランキング化されていますので、当記事ではこんな選び方や探し方もあるよ!といった、ちょっとマニアックな情報をお伝えします。
ソートと検索窓を使いこなそう
ゲーミングPCメーカーでは非常に多くのゲーミングPCを取り扱っています。全ての機種を目立つようには掲載する事はできませんので、タイミングによってはお宝モデルがたどり着きにくい場所に隠れている事があります。
例えば、ドスパラの場合、2021年12月17日時点ではゲーミングデスクトップPCのTOPページにはGTX1660SUPERを搭載したPCがありませんでした。
しかし、画面上部のソート機能で検索してみると
ドスパラ公式サイトのゲーミングデスクトップPC画面(PC表示)
GTX1660SUPERでソートした画面(PC表示)
上の写真のようにGTX1660SUPERを搭載したモデルが4機種出てきました! しかしまだ隠されている可能性がありますので、今度は画面上部の入力欄に「GTX1660SUPER」と入力し検索してみます。
ドスパラ公式サイトのゲーミングデスクトップPC画面(PC表示)
GTX1660SUPERで検索した画面(PC表示)
今度は先ほどのソート結果とは異なるモデル(i5CPUではなく、Ryzen5CPUを搭載)が出てきました。今回、記事掲載のために試したソートや検索では特別なお宝モデルは見つかりませんでしたが、私は何度もこのやり方で同じスペックなのに1~2万円安いモデルを発見してきましたので、是非気になるグラボ名で試してほしいです。
台数限定のアウトレット品もチェック
ドスパラでは、完全な新品以外にもアウトレットPCとして台数限定でプライスダウンされたPCが販売されています。
ドスパラのアウトレットPC
※引用:アウトレットPC|ドスパラ
完全な新品にこだわりがないのであれば、アウトレットPCのページをチェックしてください。2021年12月17日時点ではキャンセル未使用品や訳あり新品などのゲーミングPCやクリエイター向けPCが割安で販売されていました。1台限りの製品が多く、ほぼ毎週製品が入れ替わっているようなので、ご自身が購入しようとしているPCに近いモデルがないか、こまめにチェックしてみると良いです。
更に価格を抑えるなら 中古のゲーミングPCが選択肢に
ドスパラでは中古のゲーミングPCも豊富に取り扱いがあります。
ドスパラ|中古ゲーミングPC
中古であればGTX1650を搭載しつつ税込み8万円以下でゲーミングデスクトップPCが購入できます。中古PCを購入される場合、極力新品SSDを搭載したモデルをオススメします。理由は故障リスクが抑えられるのとPCの動作がスムーズになるからです。
ドスパラ|GTX1650 + 新品SSDを搭載したモデル一覧
年間30台のゲーミングPCをレビュー実施してみて
私は普段ドスパラやマウスコンピューターなどのゲーミングPCを実機レビューする機会が多く、とても自分では購入できそうにない40万円以上するPCから10万円切りのモデルまで年間30台ほどのレビューを行っています。
実機でベンチマークやゲームを実際にプレイしてみて感じるのはハイスペックすぎるゲーミングPCを無理に購入せずとも十分快適に遊べるゲームが多いという事です。
例えばPCゲーム用の液晶で一般的な解像度であるフルHD解像度であれば、重量級のゲームでも平均60FPSを基準にするのであればRTX3060Tiでも最高設定で快適に遊べるゲームが大半です。実際に私も2021年11月にドスパラでRTX3060Tiを搭載したゲーミングPCを購入しました。
ドスパラで購入したゲーミングPC
当記事で解説したPCスペックやパーツの簡単な知識を把握した上で、購入後の満足感や所有欲を重視するのであれば「Crazy Raccoon コラボモデル」がめっちゃカッコいいですよ~。
※引用:GALLERIA Crazy Raccoon コラボモデル|ドスパラ
ドスパラやマウスコンピューターでは多くのゲーミングPCがありますので、是非チェックしてみて下さい。
ドスパラ
マウスコンピューター
※この記事は2021年11月時点の各社公式発表情報を元に作成しています。商品や金額が異なっている場合もございますのでご了承ください。
※また本記事に掲載の感想は、個人の感想です。