
完全ワイヤレスイヤホン選び7つのポイント、イヤホンオタクがご紹介
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自宅でもオフィスでもリモートミーティングがあたりまえになった昨今、テレワークツールとしてマイク付きのイヤホンはビジネスパーソンの必需品となりました。
そのような背景もあり、左右のイヤホン本体をつなぐケーブルすら無い完全ワイヤレスイヤホンは、2020年以降に音質ばかりでなく通話品質や機能が驚くほど進化し、新製品も続々リリースされています。
次から次へと新製品が登場するので、テレワーク用に完全ワイヤレスイヤホンは欲しいけれど、種類が多くてどれを購入したらいいのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
今回は、2021年に実際に購入したり店舗で視聴したりして100近くの機種を試したイヤホンオタクの僕が、完全ワイヤレスイヤホンの選び方とおススメ機種をご紹介します。
完全ワイヤレスイヤホンとは
完全ワイヤレスイヤホンとは、Bluetoothで接続するワイヤレスイヤホンのなかで、左右のイヤホン本体がケーブルでつながっていないものを指します。
イヤホンにはスマホやパソコンなどとケーブルで接続する有線タイプのものと、Bluetoothで接続する無線(ワイヤレス)タイプのものがあります。
有線とワイヤレスを比べると、有線接続のほうがイヤホン本体により多くの音楽データを送ることができるので、音質という点だけを考えるなら有線イヤホンに軍配が上がります。
しかし、Bluetooth接続でもより多くの音楽データを伝送できる技術が開発されつつあり、ワイヤレスイヤホンの音質はここ数年で大きく向上してきています。
しかもケーブルの煩わしさから解放される完全ワイヤレスイヤホンは、外出先で音楽や動画を手軽に楽しむのに適しているので、音質向上もあいまって近年人気が高まっていた商品でした。
このような中、コロナの影響でテレワークやオンライン授業などが一気に進んだことにより、2020年以降に発売された完全ワイヤレスイヤホンは通話品質も飛躍的に向上しています。
とくにビジネスシーンでリモートミーティングが浸透する中、小型で持ち運びに便利な完全ワイヤレスイヤホンは、ビジネスパーソンの必須アイテムになりつつあります。
使い勝手も非常に良く、Bluetoothは半径10m程度まで接続可能ですので、オフィスや自宅内を移動する必要がある時にもスマホやパソコンを持ってウロウロする必要がありません。
スマホと離れた場所にいても着信があれば電話に出ることができますし、イヤホンを装着していれば着信に気付かないなんてこともなくなります。
また、片側だけでの使用が可能なことから、1日中リモートミーティングがびっしり入っていたとしても交互に充電しながら使えばバッテリー切れを気にする必要はありません。
なにより、ケーブル付きのイヤホンに比べて、よりスタイリッシュに使うことができることから、所有欲を満たしてくれるガジェットとしても是非手に取って頂きたい商品なのです。
完全ワイヤレスイヤホン選び7つのポイント
完全ワイヤレスイヤホンを選ぶときに、知っておいていただきたいポイントを整理してみました。
ポイントは大きく以下の7つです。
- ポイント①音質の良さと傾向
- ポイント②通話品質の良さ
- ポイント③アクティブノイズキャンセリング
- ポイント④対応しているコーデックの種類
- ポイント⑤専用アプリの充実度
- ポイント⑥便利な機能
- ポイント⑦防塵・防水性能
ひとくちに完全ワイヤレスイヤホンといっても機種によって機能や特性に違いがあります。
自分に合った完全ワイヤレスイヤホンを選ぶには、搭載されている機能が必要かどうか、また、どういった特徴を持つ商品を選ぶべきかを予算の範囲内で考える必要があります。
ここでご紹介するポイントは、完全ワイヤレスイヤホン選びをするための基礎知識として頭の中に入れておいて頂きたいものになりますので、ざっと目を通して頂ければと思います。
ポイント①音質の良さと傾向
完全ワイヤレスイヤホンで一番重要なポイントは、やはり音質でしょう。
完全ワイヤレスイヤホンの音質は、低音・中音・高音の各音域がどう表現されているか、また、音場とよばれる音の広がり、音の解像度という3つに着目して欲しいと思います。
低音・中音・高音の強弱
完全ワイヤレスイヤホンは、低音・中音・高音それぞれの音域をどう表現(チューニング)するかメーカーがコンセプトを決め、それに沿って全体的な音質のチューニングが行われます。
特定の音域を強調せず、アーティストが演奏した音をそのまま表現している商品は「モニター」と呼ばれますが、これまでは低音域を強調するチューニングが施されている機種が多かったという歴史があります。
しかし、Bluetoothの通信機能アップにより一昨年前くらいから音質が向上したことにより、色々な顔を持つ製品が登場してきています。
音質を表す「ドンシャリ」や「カマボコ」という用語がありますが、「ドンシャリ」は低音と高音が強調されている、「カマボコ」は中音が強調されているという意味となっています。
このほか、重低音を特に強調したものや、高音をきれいに表現することに優れたものなどもあり、メーカーごとに音の傾向のようなものはありながらも、機種が違うと音質が大きく違うということも珍しくありません。
したがって、自分が普段好んで聴く音楽のジャンルに合わせて、曲の良さを最大限引き出してくれる完全ワイヤレスイヤホンを選ぶと満足度が高くなります。
たとえば、クラブミュージックやEDMなら重低音、ロックやポップス、アニソンなら低音~中音、女性歌手のバラードなら高音が得意な機種といった具合ですね。
また、音質の良さには「音の厚み」と表現される音の濃さのような要素も大切で、こればかりは一般的に価格が上がるほど厚みが増し、没入感の高いサウンドを楽しむことができるようになります。
音場と解像度について
音場というのは音の広がりのことで、解像度は小さな音も繊細に表現されているかどうか(繊細に表現されているほど解像度が高い)というもので、どちらも感覚的な要素です。
音場は狭い・広いと表現されますが、音場が狭いと目の奥あたりの1点や頭の中だけで音が鳴っているような聴こえ方がします。
いっぽう、音場が広い機種だと横方向は耳の外側まで音の鳴っている範囲が広がり、縦方向も高音域が頭の上の空間に吸い込まれていくような感覚が味わえます。
解像度については、高くなればなるほど「こんな楽器も鳴っていたんだ」という発見があり、音の消え際も黒の中に音がゆっくり吸い込まれていくような余韻を感じることができます。
クラシックなど繊細な音楽を聴くなら音場は広く解像度が高い商品を選びたいものですが、完全ワイヤレスイヤホンに限らず音響機器においてこの2つの要素は価格と比例します。
したがって、良い音で聴きたいという方は発売時の価格が2万円以上の完全ワイヤレスイヤホンを選ぶことをおススメします。
ポイント②通話品質の良さ
完全ワイヤレスイヤホンでここ最近もっとも進化しているのは、この通話品質だと思います。
リモートミーティングがビジネスコミュニケーションの主要な手段となる中で、マイク付きイヤホン、なかでも完全ワイヤレスイヤホンは話すための道具としても注目度が上がったからです。
そのような背景があり、メーカー各社はこぞって完全ワイヤレスイヤホンの通話品質の向上に取り組んでいるんですね。
つまり、これまで「聴く音質」に重きを置いて商品開発されていたのが、「話す音質」についても同じくらい重要な要素としてメーカーが捉え始めたということ。
まず通話用マイクの数ですが、左右1つずつが一般的だったのが、左右2つずつ、中には3つずつ搭載された機種もリリースされています。
とくにマイクや電話を製造している家電メーカー(SONYやPanasonic)は、そこで培われた技術を完全ワイヤレスイヤホンに流用して、通話品質を大きく向上させています。
以下に現時点で通話品質に信頼がおけるメーカーと、そこに採用されている技術をまとめてみましたので、参考にしてくださいね。
メーカー | 技術 | 搭載機種 |
---|---|---|
Jabra | マルチセンサーボイス™ | Elite 7 Pro |
SONY | ボイスピックアップテクノロジー | WF-1000XM4 |
Technics | JustMyVoice® | EAH-AZ60 EAH-AZ40 |
ポイント③アクティブノイズキャンセリング
完全ワイヤレスイヤホンに搭載されている機能として、ユーザーが最も興味があるのはアクティブノイズキャンセリング(=ANC)ではないでしょうか。
ノイズキャンセリングにはパッシブノイズキャンセリング(=PNC)とANCがあり、PNCは物理的、ANCは電気的なノイズキャンセリングの技術の総称です。
PNCはわかりやすくいうと耳栓効果のことで、完全ワイヤレスイヤホンを装着しただけで周辺ノイズがある程度聞こえにくくなるというもの。
PNCは主に中音域~高音域のノイズに対して効果的で、イヤホン本体の形状やイヤーピースのサイズによってその効果に大きな違いが出ます。
また、PNC効果の高い機種は、以下のように周辺ノイズの抑制以外に2つの大きなメリットを享受することができます。
● 重低音~低音を逃がさず耳に伝える
● ANC性能を最大限に引き出せる
いっぽうANCは、周辺ノイズと逆の波形の音を創り出してお互いをぶつけ合うことで音を消してしまうという電気的な技術であり、低音~中音域のノイズ抑制に効果を発揮します。
また、ANCにはフィードフォワードとフィードバックという2つの方式があり、両方を搭載しているものは一般的にハイブリッドANCと表現されています。
フィードフォワード方式
フィードバック方式
ANCは強度が強くなればなるほど、ノイズキャンセリングをONにしたときの音質が低音寄りになるという特徴があります。
ただし、ANC強度や音質変化の度合いは機種によって違いがあり、2021年後半からは強力なANC強度を誇る機種でも音質変化の少ないものが登場してきています。
また、ヨーロッパのメーカーは一般的にANC ONでの音質変化を嫌う傾向があり、ハイブリッドANCを搭載していても弱めのノイキャン性能になっている機種が多いですね。
いっぽう日本国内や中国メーカーはANC性能の高さを競っているような側面があり、高価格帯の機種ほど強力なANCが搭載されているというのが一般的な傾向です。
ポイント④対応しているコーデック
完全ワイヤレスイヤホン選びで気を付けて頂きたいポイントとして、コーデックという要素があります。
普段あまり聞いたことがない単語だと思いますが、これはBluetoothを介して音をイヤホン本体に伝送するときの方式の違いと理解して頂ければOKです。
コーデックはその種類によって、音そのものの情報量と伝送するスピードに違いがあり、情報を受け取る側(イヤホン)と送る側(スマホやパソコン)は同じ種類でのやり取りをします。
現在、完全ワイヤレスイヤホンに搭載されているコーデックは以下の表の通りで、この中のいずれか2~3種類に対応しているという機種が多いですね。
ビットレートの数値が高くなればなるほど伝送されるデータ量が多いので音質は良くなりますが、駅や電車の中など人混みの中では接続が安定しないというデメリットがあります。
そのため、aptX™ Adaptiveのように接続環境によってビットレートを変動させてくれるようなコーデックが今後主流になると言われているのです。
また、表をご覧になればお分かりいただけると思いますが、音質と遅延には相関関係があり、音質を良くすると遅延が大きくなり、遅延を減らすと音質が犠牲になります。
つまり、Bluetoothで伝送する音の情報量を多くするとそれだけ伝送時間がかかってしまうということ。
たとえば、ハイレゾ音源を伝送可能なLDAC™は遅れ1秒以上と音楽を聴くことに特化したコーデックですし、aptX™ LLはゲームをプレイするのに向いているということになります。
気を付けて頂きたい点は、音を送る側のデバイスもイヤホンと同じコーデックに対応している必要があるということです。
たとえば、iPhoneユーザーがAACとLDAC™に対応している完全ワイヤレスイヤホンを購入しても、iPhoneはAACとSBCにしか対応していないので、LDAC™は使えません。
とくにaptX™ LL、aptX™ Adaptive、LDAC™に対応している完全ワイヤレスイヤホンを購入するときは、接続する側のデバイスの対応コーデックもしっかり確認しましょう。
ポイント⑤専用アプリの充実度
完全ワイヤレスイヤホンには専用アプリが用意され、そこに色々と便利な機能が搭載されているものがあります。
専用アプリはメーカーによって、また同じメーカーでもイヤホン本体の価格によってメニューの豊富さに差がありますが、個人的に最低限あると便利だと感じるものは以下の通りです。
- 音質をカスタマイズするためのイコライザー
- イヤホン本体の操作方法カスタマイズ
- アクティブノイズキャンセリングの強弱変更
- イヤホン紛失時の捜索機能
これだけでも完全ワイヤレスイヤホンの使い勝手は格段に良くなるので、できれば専用アプリが用意されている機種を選ぶことをおススメします。
さらに「え⁉ こんなことまで出来るの?」と思うような機能を搭載しているものもありますので、アプリメニューについては製品ホームページを見て事前に確認しておきましょう。
ポイント⑥便利な機能
完全ワイヤレスイヤホンにはより便利な機能を搭載している機種もあり、ユーザーよっては必須と考えるべきものもあるのでご紹介しておきます。
マルチポイント
マルチポイントとは、同時に2台のデバイスに接続しておくことができる機能で、会社とプライベートのスマホ2台持ちの方には非常におススメな機能です。
たとえば、帰宅するときに自分のスマホと会社のスマホ両方に接続しておいて、会社のスマホをカバンの中にしまって、自分のスマホで音楽を聴いていたとします。
このとき会社のスマホに着信があれば、装着しているイヤホンにコール音が鳴り、イヤホン本体を操作するだけで電話を受けることができ、しかも音楽は自動で停止されます。
会社のスマホへの着信に慌てることなくスムーズに電話に出ることができ、通話が終わると音楽は停止していたところから自動で再生されるという優れもの。
このマルチポイントは一度慣れてしまうと元に戻れないほどの中毒性があり、完全ワイヤレスイヤホンを複数デバイスに接続して使う予定がある方は要検討の機能となります。
なお、似た機能にマルチペアリングというものがありますが、これはイヤホンに接続先として複数のデバイスを登録できるというもので、複数のデバイスに同時接続できるわけではありません。
外音取り込み
外音取り込みはヒアスルーと表現されることもあり、外部の音を取り込む機能です。
完全ワイヤレスイヤホンを装着すると耳栓効果で周囲の音が聞こえにくくなり、コンビニのレジでの店員さんの声や乗り物での車内アナウンスなどが聞き取りにくくなります。
そんな時、いちいちイヤホンを耳から外すことなく、イヤホン本体を操作して外部の音を取り込む機能が外音取り込み(ヒアスルー)と呼ばれるものです。
「そんなの耳からイヤホン外せばいいじゃん」と思うかもしれませんが、完全ワイヤレスイヤホンに慣れてくると着脱するのって結構面倒くさくなるんですよね。
外音取り込み性能の優秀な完全ワイヤレスイヤホンだと、周囲の音がまるでイヤホンを装着していないかのような自然な音に聞こえます。
また、なかには自分が声を出すと自動的に再生しているコンテンツを停止して、外音取り込みモードに切り替えてくれるといった驚きの機能を搭載している機種もあります。
イヤホンを利用している環境下で誰かに話しかけられる、または話しかける可能性がある方は、外音取り込み機能を搭載した機種を選ぶことをおススメします。
ポイント⑦防塵・防水性能
完全ワイヤレスイヤホンにはある程度の防水性能が備わっていて、雨や汗に濡れても大丈夫なのはもちろんのこと、なかには水洗いが可能なものまであります。
また、砂埃なども寄せつけない防塵性能が高い機種もあるので、屋外やスポーツシーンで積極的に使いたいという方は防塵・防水性能もチェックして頂きたいと思います。
防塵・防水性能は下の図のようにIPXXと表示されています。
IP(=International Protection)は防塵・防水の国際規格で、IPのあとに続く前の数字が防塵等級、後ろの数字が防水等級を表します。
防塵等級は0~6まで7段階、防水等級は0~8までの9段階に区分されていて、防塵等級はX(特別な対策はしていない)と表記されている商品が多いです。
防塵・防水等級の詳細はこちらのリンク(IP規格・防水保護構造及び保護等級)を参照頂きたいと思いますが、はじめて見る方は「で?」と感じると思います。
完全ワイヤレスイヤホンの場合、防塵対策が施されている機種は防塵等級5か6となりますので、砂埃や粉塵が気になる環境下での使用を想定している方はIP5XもしくはIP6Xのものを選ぶと良いでしょう。
いっぽう防水性能はIPX4以上の商品なら多少雨に濡れても大丈夫なので、通勤や通学など街中で使うのであればこのレベル以上の防水性能があれば十分です。
IPX5やIPX6なら軽く水洗いも可能で、IPX7になると多少水没しても大丈夫なほどの防水性能ということになります。
種類こそ多くはありませんが、IP57やIP67という完全ワイヤレスイヤホンもありますので、過酷な環境下での使用を想定されている方は、こういった機種を選ぶと良いでしょう。
完全ワイヤレスイヤホン選びのアドバイス
完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ時のポイントが理解出来たら、つぎは自分がどこでどのように使いたいのかを考えて、優先させるポイントを整理してみましょう。
自分の利用目的に合ったものを選ぶ
完全ワイヤレスイヤホン選びで大切なのは、これまでご説明した7つのポイントの優先順位を整理して、優先順位の高いポイントを満たす商品を予算内で選ぶことです。
音質も通話品質も良く、機能面も充実している完全ワイヤレスイヤホンとなると、3万円前後という出費を覚悟しなければなりません。
しかし、完全ワイヤレスイヤホンに何を求めるのかということと、どのようなシーンでどう使いたいのかをしっかり整理すれば、予算内で十分満足できる機種選びをすることができます。
それでは、自分は完全ワイヤレスイヤホンに何を求めるかという整理の仕方について、順を追って説明していきます。
完全ワイヤレスイヤホンで出来ることは「音を聴く」ということと「通話をする」ことの2つですから、まずはそのどちらを主目的として購入を検討しているのかが前提になります。
「音を聴く」ことについては、どこで音を聴くことが多いか、またどのようなコンテンツの音を聴くのかを考えると、ノイズキャンセリング性能・防水性能・コーデックというポイントが以下の通り整理されます。
なお、iPhoneはAACまでしか対応していないので、iPhoneユーザーがLDAC™などの高音質コーデックで音楽を楽しみたいなら、Android端末に機種変するかWALKMANなどのDAP(=Digital Audio Player)を購入するしかありません。
「通話をする」ことを優先する方で、周辺ノイズが多い環境下でも高いレベルの通話品質を求める場合は、後程ご紹介するSONYやTechnicsのフラッグシップモデルか、Jabraを選ぶことをおススメします。
いっぽうで静かな環境下での通話がメインなら、マイク性能にそれほどこだわる必要は無く、「音を聴く」ことについてのポイントを優先すればOKです。
ここまで整理できれば、あとは便利な機能やアプリメニューで自分にどうしても必要なものがあるかを考え、それが備わった機種の中から予算に合うものを選ぶようにしましょう。
音質はイヤーピースで変化する
完全ワイヤレスイヤホン選びの最初のポイントで、音質は機種によって違いがあるということを説明しました。
この音質を手っ取り早く補正するのがイコライザーで、自分好みに音質を変化させたいという方には非常に便利なものとなります。
では、イコライザーが無いと音質を変化させることができないかというと、イヤーピースを市販のものに交換するという手段もあります。
完全ワイヤレスイヤホンを購入すると、最低でもS/M/Lのイヤーピースが同梱されていますが、そのイヤーピースがイヤホンと、また自分とベストマッチのものかどうかは何ともいえないのです。
付属のイヤーピースで低音不足や高音不足などを感じた場合は、市販のイヤーピースの中から欲しい音域を強調してくれるような商品を選んで交換すると、ある程度自分好みの音質に近づけることができるでしょう。
また、イヤーピースを変更すると音の厚みが格段に上がるようなケースもあり、低価格帯の機種でもイヤーピースの交換で音化けする可能性があります。
市販のイヤーピースで代表的なメーカーは以下の通りで、ここに記載した製品以外にも数多くの種類が存在します。
メーカー | 特長 | 公式HP |
---|---|---|
COMPLY™ | ウレタン製イヤーピースの代表格。低音増幅効果がある。 | COMPLY™公式 |
Spinfit | 多種類のシリコン製イヤーピースを販売。高音寄りに音質変化する傾向。 | Spinfit公式 |
final | 高域の刺激音低減などイヤホン本来の音を引き出す。 | final公式 |
AZLA | SednaEarfit™ブランドで多種類のイヤーピースを販売 | aiuto公式 |
JVC | SpiralDotブランドで高い評価を得ている | JVC公式 |
完全ワイヤレスイヤホンを購入して「なんかしっくりこないなぁ」と感じたら、イヤーピースを交換してカスタマイズするというのも楽しみのひとつだと思います。
欲しい完全ワイヤレスイヤホン12選
イヤホンオタクの僕が自信をもっておススメできる完全ワイヤレスイヤホンをご紹介します。
どの製品も音質・通話品質のバランスがよく、「聴く」ことと「話す」ことのどちらにも合格点を付けられるものを選びました。
Technics EAH-AZ60
音質 | ★★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★★ |
ANC性能 | ★★★★★ |
アプリ充実度 | ★★★★ |
便利機能 | マルチポイント |
対応コーデック | SBC,AAC,LDAC™ |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約7h/ケース含:約24h |
価格 | 26,500円~ |
発売日 | 2021年10月15日 |
Technics EAH-AZ60は実際に僕がメインで使っている機種で、個人的には最もおススメしたい完全ワイヤレスイヤホンです。
低音~高音まで解像度が非常に高いクリアなサウンドで、楽器ひとつひとつにスポットライトがあたっているかのように聴こえ、高音は頭の上まで抜けていくような爽快さを感じられます。
左右で合計8つのマイクを搭載していて、独自のアルゴリズムによる音声解析を1秒間に15,000回以上行い、発話者の声だけをクリアに届けるJustMyVoice®テクノロジーを搭載。
このJustMyVoice®テクノロジーはかなり優秀で、EAH-AZ60の通話品質は現段階ではかなり高いと思います。
また、アクティブノイズキャンセリング機能も優秀で、僕が電車の中で動画を観ていてセリフが聴こえないといったことはこれまで一度もありません。
さらにEAH-AZ60はマルチポイントに対応しているので、会社とプライベートの携帯2台持ちの僕にとってはこのイヤホンはもう手放せない存在になっています。
高級感のあるデザインも気に入っていて、ガジェットしての所有欲も満たしてくれる1台ですよ。
Technics EAH-AZ40
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★ |
ANC性能 | 非搭載 |
アプリ充実度 | ★★★ |
便利機能 | マルチポイント |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間 | 本体:約7.5h/ケース含:約25h |
価格 | 14,500円~ |
発売日 | 2021年10月15日 |
Technics EAH-AZ40はEAH-AZ60の下位機種で、EAH-AZ60が8mmドライバーなのに対しEAH-AZ40は6mm、アクティブノイズキャンセリングは非搭載となっています。
また、EAH-AZ60はLDAC™に対応していますが、EAH-AZ40の対応コーデックはSBCとAACのみで、ハイレゾ非対応とスペックダウンしているぶん価格が抑えられています。
しかし、JustMyVoice®テクノロジーを搭載し、マルチポイントにも対応していますので、通話品質が良く手ごろな価格のワイヤレスイヤホンを探している方にはおススメの製品です。
ドライバー径が6mmなのでEAH-AZ60と比べると音の厚みに劣りますが、それは上位機種と比較したらという話で、解像度の高いTechnicsらしいサウンドは十分に楽しめます。
本体自体が非常に小さく、アクセサリーをイメージしたローズゴールドが用意されていることから、女性の耳にも合う完全ワイヤレスイヤホンだと思います
SONY WF-1000XM4
音質 | ★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★ |
ANC性能 | ★★★★★ |
アプリ充実度 | ★★★★★ |
便利機能 | スピーク・トゥ・チャット |
対応コーデック | SBC,AAC,LDAC™ |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約7h/ケース含:約28h |
価格 | 25,000円~ |
発売日 | 2021年6月25日 |
WF-1000XM4は、SONYの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルで、音質・通話品質・機能などのトータルバランスに優れた製品です。
音質は低音~高音の全音域にわたって高いレベルのサウンドで、音場・解像度共に聴いていて不足感を感じることはありません。
ただし、「重低音が~」とか「高音の繊細さが~」というような突き抜けた特徴があるわけではなく、全体的な音質が高いレベルで整っているというのがWF-1000XM4の特長です。
SONYの専用アプリに搭載されているイコライザーには、5バンドの調整以外にCLEAR BASSという低音の音量を調整できる機能も備わっていて、音質のカスタマイズ性が高いのも魅力のひとつですね。
また、ビームフォーミング技術と骨伝導センサーによる高精度ボイスピックアップテクノロジーが搭載され、完全ワイヤレスイヤホンのなかでは通話品質も相当高いレベルにあります。
専用アプリの機能もかなりの充実ぶりで、スマホの加速度センサーやGPSと連動して、使っている状態や場所に応じてANCと外音取り込みモードなどを自動で切り替えるなんて機能も搭載しています。
便利機能としては、自分が発声すると再生中のコンテンツを止めて外音取り込みモードに自動で切り替えてくれるスピーク・トゥ・チャットを搭載。
高級イヤホンの部類に入る機種ですが、その価格以上の満足度を約束してくれる完全ワイヤレスイヤホンなのは間違いありません。
SONY WF-C500
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | 非搭載 |
アプリ充実度 | ★★★ |
便利機能 | - |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間 | 本体:約10h/ケース含:約20h |
価格 | 9,300円~ |
発売日 | 2021年10月8日 |
SONY WF-C500はSONYの完全ワイヤレスイヤホンのエントリーモデルです。
アクティブノイズキャンセリング機能が搭載されていないので、電車の中で音楽や動画を楽しみたいという方には不向きですが、自宅での音楽鑑賞やテレワーク用にならおススメできる製品です。
付属のイヤーピースでは価格なりの音質ですが、市販のイヤーピースに交換すると2万円程度の機種と同等のサウンドに変化します。
イヤホンの音質がイヤーピース次第で大きく変わるということを、いい意味で再確認させてくれた機種で、通話品質も高いことからノイキャン非搭載機としてはかなりの実力派だと思います。
WF-1000XM4と同じ思想で設計されていることから装着感もよく、カラフルなカラーバリエーションも用意されているので女性にもおススメの機種となります。
Jabra Elite 4 Active
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★ |
ANC性能 | ★★★★ |
アプリ充実度 | ★★★ |
便利機能 | - |
対応コーデック | SBC,aptX™ |
防塵・防水性能 | IP57 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約7h/ケース含:約28h |
価格 | 13,500円~ |
発売日 | 2022年1月13日 |
Jabraはデンマークを拠点とするヘッドセットメーカーで、通話品質の高い完全ワイヤレスイヤホンの代名詞ともいえる存在です。
2021年秋にハイエンドモデルのElite 7 ProとElite 7 Activeをリリースしていますが、今回はミドルモデルのElite 4 Activeをご紹介します。
Jabraの完全ワイヤレスイヤホンでActiveが冠された機種は、スポーツなどワークアウト時の使用をコンセプトにしたモデルで、装着安定性が高くなるような素材が使われています。
音質は若干低音寄りの引き締まったサウンドで、ボーカルの歌声が近くに感じられることからロック、ポップス、アニソンなどが合う音質だと思います。
通話品質はさすがJabraと思わせる高いレベルにあり、ビジネスでも積極的に使えますね。
Elite 4 Activeは装着しただけで周囲の音が聞こえにくくなるほど遮音性に優れており、アクティブノイズキャンセリング効果を最大限引き出すことができるのもメリットです。
完全ワイヤレスイヤホンでは、どんなにANC性能が高い機種でもイヤホン本体が耳にフィットしていないとその性能を十分に引き出すことができません。
イヤホン本体が耳にフィットしない場合は、イヤーピースのサイズで調整するしかないのですが、Elite 4 Activeはどんな方の耳にもフィットしやすい形状なので、ANC性能を最大限引き出すことができるはずです。
また、IP57という高い防塵・防水性能を備えた数少ない完全ワイヤレスイヤホンでもあるので、常時屋外で使用することを想定しているユーザーにもおススメです。
コーデックがANCに対応していないのでiPhoneユーザーにはおススメできませんが、ランニングなどスポーツの時に使いたいというAndroidユーザーには、是非手に取って頂きたい製品です。
Jabra Elite 75t
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★ |
ANC性能 | ★★★ |
アプリ充実度 | ★★★★ |
便利機能 | マルチポイント |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IP55 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約5.5h/ケース含:約24h |
価格 | 12,800円~ |
発売日 | 2019年11月29日 |
Jabra Elite 75tは発売開始からかなり時間が経過した製品ですが、現状の価格を考えると非常にコストパフォーマンスが高い機種なので今回ご紹介しておきます。
Elite 75tは発売当初2万円以上だった価格が最近では1万円前半となっていて、アクティブノイズキャンセリング機能搭載、マルチポイント対応、高い通話品質を備えています。
音質はJabra Soundと呼ばれる深みのある重低音が特長なのですが、中音~高音の解像度も高くEDMやラウドロックなどとの相性が良いと思います。
Elite 75tはアクティブノイズキャンセリングがファームウェアのアップデートで後付けされた珍しい機種で、それゆえにノイキャン性能はややマイルド。
しかし、エアコンなどの生活環境音やカフェでのノイズくらいならカットしてくれますから、街中で使うには十分なノイキャン性能だといえるでしょう。
価格的にはElite 4 Activeと同じくらいですが、Elite 75tはマルチポイントに対応しているので、スマホ2台持ちの方にはおススメしたい1台です。
JBL Tour Pro+ TWS
音質 | ★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★★ |
ANC性能 | ★★★ |
アプリ充実度 | ★★★ |
便利機能 | サイレントナウ |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX5 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約6h/ケース含:約24h |
価格 | 22,770円~ |
発売日 | 2021年10月1日 |
JBL Tour Pro+ TWSは、JBLがビジネスなど街中での使用を想定して開発した「Tour」というシリーズの上位モデルです。
Tour Pro+ TWSは低音~高音までフラットな音質の完全ワイヤレスイヤホンで、「Tour」というコンセプトの通り洗練されたサウンドが特長です。
原音を忠実に再現する「モニター」という部類のサウンドに近く、「重低音のアタック感」や「煌めくような高音」といった特定の帯域への味付けを好むユーザーには向かない機種です。
ただし、余計な味付けがされていない解像度の高いフラットな音質は、ジャンルを問わず音楽が好きというユーザーにはむしろベストマッチだと思います。
ビジネスでの使用を想定しているだけあって通話品質の高い製品でもあり、骨伝導センサーや音声解析など特殊な機能を搭載していない機種の中ではかなり高い性能ですね。
アクティブノイズキャンセリングは中域に効果を発揮する調整となっており、それゆえ雑踏や環境ノイズの抑制は得意ですが、電車内の走行音など低域ノイズは若干不得意です。
Tour Pro+ TWSは、スマホなどのデバイスとBluetooth接続をしていなくてもANCをONにする「サイレントナウ」という機能を搭載しています。
つまり自習室や図書館などで集中したいときにTour Pro+ TWSが強力な耳栓になるということで、受験生などにもおススメの完全ワイヤレスイヤホンだといえるでしょう。
JBL Club Pro+ TWS
音質 | ★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | ★★★★ |
アプリ充実度 | ★★★ |
便利機能 | ビデオモード |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約6h/ケース含:約18h |
価格 | 15,840円~ |
発売日 | 2020年11月中旬 |
JBL Club Pro+ TWSは発売から時間が経過していますが、リリース直後に爆売れしたハイエンドモデルながら価格がだいぶ下がってきているので、コスパの高い完全ワイヤレスイヤホンとしてご紹介します。
JBL Club Pro+ TWSは「Club」という名前の通り、パワフルな重低音と解像度の高い高音が特長で、明るく迫真性のあるJBLサウンドをさらに元気にしたような没入感の高い音質です。
Clubという名前の通り「Clubミュージック向けにチューニングを全振りしたのか?」と思わずにはいられないサウンドで、このイヤホンで音楽を聴くと思わず頭が動いてしまいますね。
通話品質も高いレベルにあり、自宅でのテレワークはもちろんのこと、オフィスからのリモートミーティングにも使用可能なレベルです。
アクティブノイズキャンセリングは低域ノイズ中心に効果が高い調整となっており、電車内での走行音などは音楽を流せば全く気になりません。
専用アプリに搭載されているイコライザーが充実しているというのもClub Pro+ TWSのメリット。
完全カスタマイズ可能な10バンドイコライザーのほか、世界的に有名なDJ5人が調整した5種類のプリセットも用意されています。
また、Club Pro+ TWSにはデータ通信速度を優先して音の遅延を最小化するビデオモードが搭載されているので、動画鑑賞に使いたいというユーザーにもおススメの1台です。
JBLの完全ワイヤレスイヤホンは、「Club」「Tour」「Live」などブランドごとにコンセプトがはっきりしているので、それを参考に製品選びをすると良いと思います。
Anker Soundcore Liberty 3 Pro
音質 | ★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | ★★★★ |
アプリ充実度 | ★★★★★ |
便利機能 | マルチポイント |
対応コーデック | SBC,AAC,LDAC™ |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約6h/ケース含:約24h |
価格 | 19,000円~ |
発売日 | 2021年11月4日 |
Anker Soundcore Liberty 3 ProはAnkerの完全ワイヤレスイヤホンのフラッグシップモデルで、現在考えられる機能全てを搭載している製品です。
この製品は、低音を得意とする10.6mmのダイナミックドライバーと高音を得意とするバランスドアーマチュアドライバーの2つのドライバーを搭載。
デュアルドライバーの特性が音質にも出ていて、身体の芯までズシンとくる低音が下からわきあがり、解像度の高い高音が上から降り注ぐような感覚があります。
通話品質は周辺ノイズはある程度拾ってしまうものの声自体はクリアに伝えられるので、自宅など静かな環境下であればビジネスにも使用可能なレベルとなっています。
Soundcore Liberty 3 Proの魅力は何といっても機能の豊富さで、LDAC™やマルチポイントに対応しているのはもちろんのこと、音質やノイキャンのパーソナライズなど便利機能がてんこ盛り。
とくにウルトラノイズキャンセリング2.0は、周囲の雑音強度を検知してノイキャン強度を最適に自動調整してくれるという優れもの。
そのほか音楽用イコライザーは8バンドの完全カスタムが可能で、加えて22種類ものプリセットが用意されていますし、イヤホン本体のタッチセンサーもかなり細かくカスタマイズ可能です。
これ以外にも専用アプリで色々なカスタマイズや設定が可能で、これだけのことができるのに2万円を切る売出価格が実現できるのはAnkerならではだと思います。
とにかく自分好みにカスタマイズしてイヤホンを使いたいという方にはおススメの1台ですね。
Anker Soundcore Liberty Air 2 Pro
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | ★★★ |
アプリ充実度 | ★★★★ |
便利機能 | - |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約6h/ケース含:約21h |
価格 | 11,610円~ |
発売日 | 2021年1月20日 |
Anker Soundcore Liberty Air 2 Proは、1万円代前半の価格ながらアクティブノイズキャンセリング機能を搭載し、通話品質もかなり高いレベルにある完全ワイヤレスイヤホンです。
音質は「ドンシャリ」系ですが、低音や高音がドンと前に出てアタックしてくるほどの強さではなく、元気はあるけれど聴き疲れのしない穏やかなサウンドという感じですね。
高価格帯のイヤホンと比べると音の厚みが不足気味かなとも感じますが、完全ワイヤレスイヤホン初心者や5千円以下のエントリーモデルを使っていた方には十分良い音質だと感じるはずです。
アクティブノイズキャンセリング性能は非常に高く、高価格帯のイヤホンにも引けを取らないレベルに達しています。
1万円前半の価格ながら個人の聴覚感度に合わせた音質調整機能であるHearIDや、8バンドイコライザーなど音質面のカスタマイズ機能が充実しているのもSoundcore Liberty Air 2 Proの魅力。
カラーバリエーションもブラックのほか、ホワイト・ピンク・ネイビーと種類が豊富なのもおすすめポイントです。
final ZE3000
音質 | ★★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | 非搭載 |
アプリ充実度 | アプリ無し |
便利機能 | - |
対応コーデック | SBC,AAC,aptX™,aptX™ Adaptive |
防塵・防水性能 | IPX4 |
再生時間 | 本体:約7h/ケース含:約35h |
価格 | 15,800円~ |
発売日 | 2021年12月17日 |
finalは日本のイヤホン・ヘッドホンメーカーで、これまで有線イヤホンは「final」ブランド、ワイヤレスイヤホンは「ag」ブランドでリリースしてきました。
そのfinalが同ブランド初として世に送り出した完全ワイヤレスイヤホンがZE3000です。
finalにはE3000という同ブランドを代表する有線イヤホンがあり、この機種は強調された音の帯域をつくらない自然な音づくりがされているとして高い評価を得ています。
ZE3000はこのE3000の音質を超えるというコンセプトのもと、新たに開発されたドライバーや筐体設計が採用されていて、イメージ通りの音づくりができていることから人気が高まっている製品です。
音質を追求した製品なので、アクティブノイズキャンセリングは非搭載で専用アプリもありませんが、モニターイヤホンとして高い完成度を誇る製品だと思います。
音楽を聴くばかりでなく演奏もするという方には、ぜひ一度試して頂きたい1台ですね。
ZE3000を手にした時に感じた嬉しい誤算は通話品質で、製品ホームページで通話については一切言及されていないにもかかわらずビジネスでも使用可能なレベルにあります。
周辺ノイズが少ない環境ならリモートミーティングで使っても大丈夫ですし、音質と同じく通話の音声も自然に近い音に聞こえるので「良いマイク使ってるね」と言われるかもしれません。
ZE3000は派手さこそありませんが、基本がしっかり備わった完全ワイヤレスイヤホンとして注目して頂きたい製品ですね。
EarFun Free Pro 2
音質 | ★★★ |
---|---|
通話品質 | ★★★ |
ANC性能 | ★★★★ |
アプリ充実度 | アプリ無し |
便利機能 | 低遅延モード |
対応コーデック | SBC,AAC |
防塵・防水性能 | IPX5 |
再生時間(ANC ON) | 本体:約5h/ケース含:約25h |
価格 | 8,499円~ |
発売日 | 2021年11月22日 |
EarFun Free Pro 2は、予算はあまりないけれど強力なアクティブノイズキャンセリング性能を搭載した完全ワイヤレスイヤホンが欲しいという方におススメしたい製品です。
1万円を切る価格ながら-40dBというアクティブノイズキャンセリングを搭載しており、電車内での動画鑑賞でもノイズでセリフが聴こえなくなることはありません。
正直、この価格でこれだけのANC性能というのは驚きで、アクティブノイズキャンセリングだけを考えれば高価格帯の製品と遜色がないレベルになっています。
音質は低音~中音に厚みがあり、とくに中音域の解像度が高くすっきりした聴き心地で、ボーカルが際立って聴こえることからポップスやアニソンなどに向いていると思います。
低音がブーストされて他の帯域を邪魔していると感じる方もいるかもしれませんが、その場合は高音寄りに音質が変化する市販のイヤーピースに交換してみてください。
通話品質も自宅や会議室など比較的ノイズの少ない環境下なら、ビジネスに利用しても問題ないレベルに達しています。
Free Pro 2は0.08秒という低遅延モードを搭載しているので、一般的なゲームや動画をストレスなく楽しむのにも適しているというのも大きなメリットではないでしょうか。
また、約10分の充電で約2時間使用可能な急速充電やQi規格のワイヤレス充電にも対応していますので、使い勝手の良さも備えた1台といえますね。
まとめ
今回は、完全ワイヤレスイヤホンを選ぶ際のポイントと、使う目的によるポイントの整理の仕方、そしておススメの製品をご紹介しました。
僕が完全ワイヤレスイヤホンを使い始めたのは2年程前からですが、テレワークの時ばかりでなくオフィスでも積極的に使っています。
片側だけでも使える完全ワイヤレスイヤホンは、ふいに話しかけられても応対可能ですし、なによりオフィスで装着したままでもあまり違和感が無いのが良いですね。
僕は普段マルチポイント搭載機を使っていますが、移動中にプライベートの携帯で音楽を聴いていても、会社の携帯に着信があればイヤホンの操作だけで通話が可能というのが本当に助かっています。
また、完全ワイヤレスイヤホンを使うようになって、以前にも増して移動中に音楽や動画を楽しむようになり、なんだか人生が豊かになった気さえしています。
正直なところ、完全ワイヤレスイヤホン沼にはまってしまったようなもので、抜け出そうとするどころかどんどん深いところに足を踏み入れている感じです。
2022年もどんな製品が登場するのか楽しみで仕方ありませんが、今回は現時点で僕が自信をもっておススメできるものをご紹介したつもりです。
この記事があなたのお気に入りの1台を見つけるカギになってくれればと思います。
※この記事は2022年2月時点の各社公式発表情報を元に作成しています。商品や金額が異なっている場合もございますのでご了承ください。
※また本記事に掲載の感想は、個人の感想です。