東京の水道水はまずい?その真相ともっとおいしく飲む方法

2022年4月5日
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東京の水道水は、「おいしくない」「まずい」というイメージも少なくなく、一方で「以前よりおいしくなった」という声も。調べてみたら「おいしい理由」と「まずい理由」の両方が見えてきました。この記事では、水道水の味について徹底解説します。

東京の水道水は、実はおいしくなっている!?

4割超の人がミネラルウォーターよりおいしいと回答

東京都水道局では水道水とミネラルウォーターを10~15℃に冷やし、どちらか分からないようにして一般の人に飲み比べてもらう「東京水飲み比べキャンペーン」を行っています。

2018年度に30,002人が参加したこの調査では、なんと40.4%の人が「ミネラルウォーターより水道水の方がおいしい」と回答。「ミネラルウォーターの方がおいしい」と答えた人が44.8%なので、その差はわずか4.4%しかありませんでした。

【おいしいと思った水】
水道水40.4%
どちらもおいしい14.8%
ミネラルウォーター44.8%

「水道水の方がおいしい」と「どちらもおいしい」の回答を合わせると55.2%。半数以上の人が東京の水道水はおいしいと感じたという結果になりました。

おいしさのヒミツは2つの処理機能

東京の水をおいしくしている要因は2つ。「オゾン処理」と「生物活性炭吸着処理」という処理機能です。

1つめのオゾン処理では、カビ臭さのもととなる有機物やトリハロメタン(塩素で水を消毒するときに発生する化合物)を分解。2つめの生物活性炭吸着処理では、活性炭が分解した有機物などの汚れを吸着し、さらに微生物がアンモニアや有機物を食べて処理します。

この2つの処理をあわせた「高度浄水処理」が、水道水を供給するための浄水場で行われています。

高度浄水処理の導入は1989年にスタートし、2013年には23区をはじめ東京広域に提供される利根川水系の浄水場で100%実施されるようになりました。こういった取り組みが、現在のおいしい水道水の提供につながっているのです。

東京の水利用者の約半数が、水質に満足!

水道水ユーザーの声を知るために、東京都水道局が平成26年度に行った「満足度調査」の結果をみてみましょう。利用者に調査票を郵送する形で行われたこの調査の有効回答数は3,230件。ここから東京の水道水に関する実態を知ることができます。

普段、水道水をどのように飲んでいるか

そのまま飲む50.0%
浄水器を通して飲む28.7%
水道水は飲まず、ボトルウォーター(ウォーターサーバー含む)を飲む20.0%
無回答1.3%

半数の人が蛇口から出てくる水道水をそのまま飲んでいることが分かります。

普段、調理に水道水をどのように使用しているか

そのまま使用68.1%
浄水器を通して使用24.7%
水道水は使わず、ボトルウォーター(ウォーターサーバー含む)を使用5.2%
無回答1.9%

調理の際は、7割近い人が水道水をそのまま使用していることが判明しました。

東京の水道水の水質について、どのように感じているか(一部抜粋)

満足やや満足どちらともいえないやや不満不満無回答満足の合計
飲み水として19.4%29.3%35.0%11.1%3.8%1.4%48.7%
調理に使用する水として26.9%32.5%31.2%5.9%1.8%1.7%59.4%
味(おいしさ)14.1%27.5%42.9%10.2%4.0%1.1%41.6%
におい(カルキ・かび等)の少なさ18.6%29.9%35.8%11.2%3.3%1.1%48.5%
にごりの少なさ・無色37.2%33.0%25.7%2.3%0.7%1.0%70.3%
安全性31.3%32.1%28.9%4.6%2.0%1.1%63.4%

「満足」と「やや満足」を合計した「満足の合計」に注目すると、水質に関してはほぼ半数の人が満足していることが分かります。その一方で、味に満足している人は約4割と半数以下。さらに、においに関しては約半数が満足と回答しているものの、不満を感じている人も約15%と決して少なくありません。

それでも「東京の水はまずい」といわれる理由

東京の水がおいしいことをさまざまな調査データが証明しています。それなのに「まずい」といわれてしまうのはなぜでしょうか。

残留塩素やカルキ臭

水道水をまずく感じる大きな原因は、水の消毒に使われる「塩素」と「カルキ臭」です。

水道水は、蛇口から出てくる時点で0.1mg/L以上の残留塩素をキープしなければならないことが法律で決められています。カルキ臭は、塩素と水中のアンモニアなどが反応して発生します。

味やにおいを損なわないよう、残留塩素は0.1mg/L以上0.4mg/L以下に抑えるという目標値も設定されていますが、法律で決まっている以上ゼロにすることはできません。

建物の貯水タンクや配水管の劣化

東京の水道水が「まずい」場合、水以外に問題がある場合も。たとえば建物の配水管や給水管が古く、さびたり汚れがたまっていたりすれば味やにおいに影響を与えます。

また、マンションなどの集合住宅の場合、水道水はいったん敷地内に設置された貯水槽にたくわえられ、そこから各家庭へと供給される場合も多いです。

集合住宅に設置されている貯水槽

水道水の品質は水道局が管理するものですが、貯水槽は設置者が管理するもの。定期点検や清掃を怠って貯水槽内にサビが発生したり、藻などが繁殖していたりすれば水質が落ち、味のみならず衛生面でも悪影響です。

ひと昔前の悪いイメージが定着している

かつて東京の水道水は本当においしくありませんでした。1984年に厚生省(現・厚生労働省)の「おいしい水研究会」が実施した水道水の利き水大会では、全国12ヵ所の水道水の中で「もっともまずい」という不名誉な評価を受けています。

こういった状況を改善するために東京都水道局が高度浄水処理を取り入れはじめたのは、元号が平成に変わった1989年のこと。昭和の高度経済成長期には、浄水技術がまだ発達していませんでした。

東京のメインとなる水源は、新潟県と群馬県の境目を起点とする利根川。下流域にあたる東京では取水する水に、上流の都市で下水処理された排水も含まれてしまいます。過去の未発達な浄水技術では川の水を十分にきれいにできず、水質が良くなかったのです。

東京の水道水がまずいといわれるのは、その当時についたイメージが今も根強く残っていると考えられます。

東京の水をもっとおいしく飲むには?

蛇口をひねって出てくる水はそのままでも飲めますが、おいしく飲む方法をご紹介します。

10~15℃に冷やす

水道水をおいしく味わうのにもっとも手軽な方法は、おいしいと感じる10~15℃に冷やすことです。

水道水は屋外の配水管や給水管を通るため、夏場などはぬるま湯のような温度になってしまうことも。ボトルに入れて冷蔵庫で冷やしたり、氷を入れたりしましょう。冷やすことでカルキ臭も気にならなくなります。

レモン果汁を数滴たらす

水道水をおいしくないと感じる原因のひとつが残留塩素です。塩素は、水中の病原菌を消毒するために欠かせないもの。水道水は、蛇口から出てくる時点で0.1mg/L以上の残留塩素をキープしなければならないことが法律で決められています。

残留塩素の濃度は一定ではなく、季節や水温、給水場所によって変化します。塩素のにおいが気になるときは、レモンの果汁を水1リットルあたり数滴たらしてみましょう。レモン果汁などに含まれるビタミンCには、残留塩素を取り除く効果があるといわれています。

煮沸して冷やす

味をそこなう原因となる塩素やトリハロメタンは、水道水を15分ほど煮沸すると取り除くことができます。時間をかけるのは、トリハロメタンは沸騰してすぐに火を止めてしまうとかえって増加するという研究結果が出ているためです。煮沸する際は鍋やヤカンにはふたをせず、気化したトリハロメタンを空気中へ逃がすようにします。

ただし、塩素を取り除くと雑菌が繁殖しやすくなり、長期保存には適さなくなります。沸騰させた水は2日以内に飲みきるようにし、保存容器には直接口をつけずコップなどに注いでから飲むようにしましょう。

浄水器を使う

残留塩素や不純物を取り除ける浄水器を設置するのもひとつの方法です。家庭用浄水器には「蛇口取りつけ型」「ポット型」「据え置き型」「ビルトイン型」などがあります。このうち手軽に導入できるのが、蛇口取りつけ型とポット型です。

蛇口取りつけ型は、名前の通り蛇口に直接設置する浄水器です。小型で簡単に取りつけることができ、飲み水だけでなく料理にも使えるというメリットがあります。導入前に蛇口の形やサイズを確認しておきましょう。

ポット型はポット内部のフィルターによって浄水する浄水器です。手軽かつ安価で、そのまま冷蔵庫で冷やせるというメリットがあります。

手軽においしい水が飲めるウォーターサーバーという選択も

水道水に満足できないときは、ウォーターサーバーを使うのもひとつの手です。ウォーターサーバーには、天然水を利用するもの以外にも、自宅の水道水を利用するものなど、さまざまな機種があります。

ここでは、はじめてでも導入しやすいメーカーをご紹介します。

水道水と同じようにたっぷり使える|ウォータースタンド

水の種類水道水(浄水/RO水)
実質月額【24L】
(水+サーバー)
約3,856円~
月額電気代約150円~
サーバーラインナップ床置型:5機種/卓上型:7機種

ウォータースタンドが提供するウォーターサーバーは、内部のフィルターで水道水をろ過するサーバーです。水のボトルを購入・交換する必要がなく、水道料金とサーバーの月額レンタル料のみで使い放題というメリットがあります。

サーバーの月額レンタル料には、フィルターの交換費用やメンテナンス料が含まれています。フィルター交換は専門スタッフが訪問のうえ行うため、手間もかかりません。

  • ボトル交換の手間がなく、水の注文もしなくていいので助かっています
  • ボトルは置き場に困るので、水道直結型が便利だと感じました
  • 使用量を気にせずに使えます

天然水のおいしさにこだわるなら|プレミアムウォーター

水の種類天然水
実質月額【24L】
(水+サーバー)
3,974円~
月額電気代約500円~
サーバーラインナップ床置型:4機種/卓上型:1機種

プレミアムウォーターの水は、生産管理が難しいうえにコストもかかる非加熱処理の天然水。厳選された採水地で汲み上げる天然水は口あたりがよくまろやかで、水そのもののおいしさを楽しめます。

さらにウォーターサーバーの種類が豊富で、デザイン家電ブランド「amadana」とのコラボモデルなど、スタイリッシュな機種が複数ラインナップされているのも特徴です。「インテリアの雰囲気を壊したくない」「利便性だけでなく見た目にもこだわりたい」というニーズを持つユーザーから、高い支持を得ています。

  • amadanaシリーズが気に入っています
  • ミルクや離乳食づくりに役立つうえ、味もおいしいです
  • お湯がすぐに使えてサーバーの月額レンタル料は0円。ボトルは宅配便で届くので再配達もしてもらえるからとても便利です

料金の安さを重視するなら|ワンウェイウォーター

水の種類RO水(ミネラル含有)、天然水
実質月額【24L】
(水+サーバー)
2,700円~
月額電気代約400円~
サーバーラインナップ床置型:2機種

ワンウェイウォーターの特徴は、リーズナブルなRO(アールオー)水がラインナップされていることと、RO水と天然水のどちらかを選べることです。

RO水とは、高性能なフィルターで原水から不純物やミネラルを極限まで取り除いた、ピュアウォーターのこと。

価格はRO水なら500mlあたり約56円と業界最安クラスで、サーバーの月額レンタル料、配送料、メンテナンス料といった諸費用はすべて0円です。ウォーターサーバーをなるべく低コストで導入したいというニーズにマッチします。

  • ウォーターサーバーに加えお掃除ロボットをサブスクリプションで利用できて便利
  • お湯をすぐに準備できるので助かっています
  • 便利ですが、ウォーターサーバーのデザインはいまいち

おすすめのウォーターサーバー|比較表

メーカー名ウォータースタンド
プレミアムウォーター
ワンウェイウォーター
水の種類水道水(浄水/RO水)天然水RO水(ミネラル含有)、天然水
実質月額【24L】
(水+サーバー)
約3,856円~3,974円~2,700円~
月額電気代の目安約150円~約500円~約400円~
サーバーラインナップ床置型:5機種/卓上型:7機種床置型:4機種/卓上型:1機種床置型:2機種
公式

「東京の水はまずい」はウソ?のまとめ

  • 東京の水道水は「高度浄水処理」によっておいしくなっている
  • 水道水を「まずい」と感じるのは、残留塩素やカルキ臭、給水設備の劣化、定着したマイナスイメージなどが原因
  • 水道水は煮沸したりレモン果汁を垂らしたりするとおいしくなるが、ウォーターサーバーなら手間なくおいしい水が飲めるようになるのでおすすめ

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